[原子力産業新聞] 2000年12月14日 第2067号 <5面> |
[NEI-Insight] 米下院議員、超党派で原子力ワーキンググループ主催議会内の理解促進へサウスカロライナ州選出の民主党下院議員ジョン・スプラットとミシガン州選出の共和党下院議員ジョー・ノレンバーグは、今年4月から正式に議会組識となった下院原子力問題ワーキンググループを主宰している。スプラット議員は下院予算委員会の最古参委員であると同時に軍事委員会の委員でもある。「インサイト」では、原子力や核不拡散問題についてワーキンググループや議会の関心がどのへんにあるか、両議員に聞いた。 --- あなた方は原子力問題ワーキンググループの設立で主導的な役割を果たしました。このグループの下院での役目はどういうものになりますか? スプラット ノレンバーグ このグループは原子力科学や技術、政策に関係した諸問題について自由なコミュニケーションをはかり、原子力問題の理解を促進するために活動していくことにしています。原子力科学は米国経済に重要な役割を果たしており、原子力問題を良く理解することが重要です。 展示会やスピーチ、パネルディスカッション、映画、討論会なども私達の活動の一環です。私達のグループの自的は、情報に基づいた理性的な決断が下せるよう、原子力問題のあらゆる側面を提示することにあります。私としては、このグループが原子力問題について、超党派での法案作成にいたるフォーラムになるものと確信しています。 --- 上院には原子力を討議する議員団があります。一方、下院には原子力汚染浄化委員会と原子力問題 WG があります。議会で原子力問題についての関心が高まっていると思いますか? スプラット 昨年1年間についてみると、エネルギー省 (DOE) に保安面で失態があったとの申し立てによって、DOE を完全にオーバーホールすることになり、軍事委員会に再度、DOE 監視パネルを作ることになりました。 核兵器管理、核不拡散、核実験は、国防や外交政策は、依然として意見の一致がみられない問題です。軍事委員会のメンバーの間でも、核物質の備蓄管理や実験をしないで核兵器が維持できるかということについて懸念があります。甚大な被害をもたらす反撃の脅威という抑止効果が意味を持たない、理性を持たない独裁者が支配する、国際秩序を見出す国家が弾道ミサイルや核弾頭を持つという懸念があります。我々は、ロシアが現在の方針を進め、脅威の緩和に協力するか、また中国がどのような方針をとるかに高い関心を持っています。 --- あなた方は、各メンバーに原子力の環境面などでの利点について知らせるつもりですか? ノレンバーグ 原子力には環境や他のすべての点で非常に多くの利点あります。原子力は、エネルギーのベストミックスという点からみて最も強力な柱であると同時に、環境面での利点という点からみても最も重要なエネルギーである。私は、原子力と他の電源との比較を明らかにすることが適当ではないかと考えています。 --- あなた方は、ワーキング・グループのメンバーを増やす努力をするつもりですか。その場合、超党派でということになりますか。 ノレンバーグ 私達のワーキング・グループは超党派であり、今後とも問題の各面を世間に対し明らかにしていく考えです。私達は、できるだけ多くの議員と議員スタッフとともに緊密に活動をしていくつもりです。 --- スプラット議員のサウスカロライナ州では7か所の原子力発電所で全電力のほぼ60%を供給しています。その結果、サウスカロライナは大気汚染問題がそれほどひどくありません。このことは、他の産業活動や発電による排出物が多くなってもかまわないということですが、原子力発電が州の経済成長に貢献できるという認識が議会内にあると思われますか? スプラット はっきりしていることは、原子力発電は化石燃料を用いた火力発電所に代わるクリーンな電源であるということです。また、大気汚染基準はますます厳しくなってきています。さらに、二酸化炭素と窒素酸化物の排出を削減しようと取り組んでいますが、原子力発電のこうした特徴にはもっと高い価値が与えられるべきだと考えています。 |