[原子力産業新聞] 2000年12月14日 第2067号 <6面>

[原研] JT-60、連続運転の実現に一歩

ITER運転に道

日本原子力研究所 (村上健一理事長) は5日、臨界プラズマ試験装置 (JT-60) において、世界で初めて、国際熱核融合実験炉 (ITER) の連続運転に必要な高密度・高閉じ込めと連続運転用電流駆動を同時に達成したと発表した。

ITER は、トランスの原理で電流を流す運転方式 (電磁誘導方式) と、連続して電流を流す運転方式 (連続運転方式) の2つの運転方式を持つが、連続運転方式の場合は、高密度と高い閉じ込め性能を同時に実現することが求められていた。

原研は、JT-60 で開発した自発電流の割合の高い運転方式 (負磁気シアプラズマ方式) に中性粒子ビーム入射装置と高周波入射装置を組み合わせて、トカマク型装置の連続運転方式の改善に関する研究開発を進めてきた。

このほど、プラズマの断面の三角度を高めることによって密度の高い領域でのプラズマ閉じ込め性能を大幅に改善するとともに、プラズマと高周波用アンテナとの距離を一定に保つ高速・高精度のプラズマ制御法を開発して、高閉じ込め性能、高密度の状態を維持したまま連続運転の方式でプラズマ電流を流すことに成功したもの。

今回の研究成果により、ITER で目標としている高性能プラズマの連続運転をほぼ実証し、ITER における連続運転を実現できる見通しを得ることとなった。


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