[原子力産業新聞] 2000年12月21日 第2068号 <3面>

[OECD/NEA] ラスプラス計画、最終結果をレビュー

後続計画も決定

経済協力開発機構/原子力機関 (OECD/NEA) は11月28日、過酷事故時の管理戦略に関する国際共同研究プロジェクトであるラスプラフ (RASPLAV) 計画の最終結果レビューを実施したことを明らかにした。

ラスプラフ計画は米露の協力合意に基づいて6年前に NEA が設置したもので、原子炉で炉心溶融などの過酷事故が起きた際に大量の放射性物質が圧力容器から放出されるリスクを軽減する対策を探るのが目的。4種類の大規模実験とそれを補う一連の小規模試験がロシアのクルチャトフ研究所の設備を利用して実施された。炉心の溶融状態を調べる実験では溶融物質の温度は3,000℃にも達したという。OEOD 加盟各国ではこれらの成果を積極的に活用することにより、原子炉内部評価用のコンピュータ・コード開発をさらに発展させていくことになる。

なお、同計画にはロシアのほか米国、カナダ、韓国、日本、欧州12か国などの OECD 加盟国が参加したが、これらの国々はすでに、ラスプラフ計画のフォローアップを目的とした MASCA 計画に参加する意志を表明。MASCA 計画では引き続きクルチャトフ研究所の設備を使い、圧力容器に熱負荷影響を及ぼすと思われる特定の溶融物質による現象を3か年かけて解明する予定だ。


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