[原子力産業新聞] 2000年12月21日 第2068号 <8面> |
[設立] X線分析でベンチャー企業を設立金子電器製作所、堀場製作所などが今月26日、エックス線を応用した多層構造評価装置を開発するベンチャー企業「(株)エックスレイプレシジョン」を設立する。発起人は金子電器製作所の金子健社長、堀場製作所の堀場雅夫会長、また同社開発部門の担当部から細川好則部長の3名。 事業内容はエックス線を応用した多用構造評価装置の開発。設立当初の資本金は 3,000万円。出資者は、発起人の他に、所属する企業の金子電器製作所、堀場製作所他の関与する企業 (民) だけでなく、国内のエックス線分野における最先端研究を行っている大学の学者 (学)、さらには科学技術庁無機材質研究所の中澤研究官 (官) を筆頭に、事業趣旨に賛同した個人など計32名と、単に企業同士のジョイントベンチャーでもなく、企業が分社化した社内ベンチャーでもなく、まさに産官学一体となって支援するという。 IT (情報技術) 産業において、今以上の市場性が見込まれるもののひとつに、次世代の高機能携帯電話や携帯情報端末 (PDA) があるが、心臓部の基板は、高機能化すれば回路が複雑になり多層化が進み、一層ごとの回路検査や素材分析が重要となる。この他にも、食品や医薬品の製造工程における全数チェック等の厳密な品質管理や異物混入監視などで、非破壊検査・分析が同時にできるシステムの開発への期待が寄せられている。 堀場製作所は、1971年に蛍光エックス線分析装置を開発以来、エックス線を応用した分析装置を数々開発し、1994年には世界で初めて表面だけでなく内部の元素分析と微少部観察ができるエックス線分析顕微鏡を開発するなど、エックス線を使った分析技術を有している。 一方、金子電器製作所は、国内で初めて光学式電子部品検査装置を開発し、この分野の草分けとして、検査装置についての技術力ならびに市場把握に豊富な経験を有することから、今回のベンチャー発足となった。 |