[原子力産業新聞] 2001年1月5日 第2069号 <1面>

[総合エネ調] 原子力安全・保安部会、安全規制の高度かめざす

10小委員会を設置、専門的に検討

総合エネルギー調査会に新設された原子力安全・保安部会の初会合が12月20日、東京都港区虎ノ門で開かれ、今後の原子力安全確保に向けた行政のあり方をめぐり意見が交わされた。同部会は、「規制の透明性確保、情報公開、原子力安全・保安院設立などを踏まえ、技術面を中心として専門的に検討を行う場の設置が必要」とのエネ調総合部会からの提言に基づき新設されたもの。部会長には、近藤駿介東大院教授が就任した。

同部会の任務は、 (1) 原子力安全規制に関する課題 (2) 原子力防災に関する課題 (3) 原子炉等規制法に基づく審査基準、電気事業法に基づく技術基準に関する課題 (4) 電力の保安に関する課題 -- を審議することとされており、この日の会合では、部会で検討すべき具体的課題として、安全文化の維持・向上、アカウンタビリティの向上、原子力防災対策の充実、廃止措置・廃棄物対策、核燃料サイクル事業の進展に伴う規制体系の整備、安全規制の高度化、安全研究の推進、安全に関わる国際協力、電力保安制度の見直し -- などが挙げられた。

これに対して、委員からは、「いかにして規制担当者のレベルを向上するかも検討課題に加えてほしい」といった意見のほか、安全規制の基盤となる研究の重要性や、我が国が国際的な安全規制のルール作りに役割を果たすことの必要性が指摘された。

このほか、同部会が審議する事項のうち専門的技術的な観点からの検討が必要なものについては、部会の下に10の小委員会を設置して、検討していくことが承認された。小委員会は次の通り (カッコ内は委員長)。

▽基本政策小委員会 (近藤駿介東大院教授) ▽原子炉安全小委員会 (班目春樹東大教授) ▽核燃料サイクル安全小委員会 (松本史朗埼玉大教授) ▽廃止措置安全小委員会 (石榑顕吉埼玉工業大教授) ▽廃棄物安全小委員会 (石榑顕吉埼玉工業大教授) ▽地盤耐震小委員会 (阿部勝征東大地震研究所教授) ▽原子力運転管理・防災小委員会 (朝田泰英電力中央研究所研究顧問) ▽ INES 評価小委員会 (近藤駿介東大院教授) ▽原子力安全条約検討小委員会 (石川迪夫原子力発電技術機構特別顧問) ▽電力安全小委員会 (関根泰次東京理科大教授)


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.