[原子力産業新聞] 2001年1月5日 第2069号 <2面> |
[原産] 日台原子力安全セミナー開催龍門原発めぐり討論日本と台湾の原子力分野での情報交換の場である「日台原子力安全セミナー」が12月12日、13日台北市の国立図書館会議場で開催された。 同セミナーは日本原子力産業会議と台湾の原子力委員会等の共催で、毎年日本と台湾交互に開催しているもので、今回で15回目となる。日本側からは石原實北陸電力副社長を団長として、電力、メーカーからなる28名が、台湾側からは歐陽敏盛原子能委員会副主任委員をはじめとする約 210名が参加。原子力発電所の建設・保守・安全管理、PA と放射線の安全管理、使用済み燃料および放射性廃棄物管理の問題を討議した。 開会セッションで特別講演を行った李敏清華大学教授は、現在台湾で政治論争の焦点となっている第4 (龍門) 原子力発電所建設続行の是非を検討するため組織された「第4原子力発電所再評価委員会」での討論内容を発表した。「政府関係者、学識者、産業界代表者など18名で構成された同委員会の会合は3か月間計13回にも及んだが、建設賛成派、反対派ともに合憲に達することなく終了した。内閣は建設停止の結論を下したが、国会はそれを承認せず、今後は司法機関で建設停止の違憲性を審議する」と述べるとともに、台湾の経済発展のためにもエネルギーの安定供給は不可欠で、中でも原子力の役割は非常に重要であることについて広く国民の理解を得ることが必要だと強調した。 また、石原団長は「日本の原子力開発の現状と今後の展望」と題する講演の中で、「JCO 事故後、国は法の整備を行い、安全規制および防災対策を強化する一方で、電気事業者は法令の改定を受け保安教育の徹底を行っている」と日本における国民理解を得るための取組みについて紹介し、「原子力発電は日本にとっても不可欠なエネルギー。今後も原子力開発に携わるものとして安全確保と国民の信頼回復に努めていきたい」と述べた。 |