[原子力産業新聞] 2001年1月5日 第2069号 <2面>

[サイクル機構] 地層処分で外部委員会が中間評価

「研究計画は適切」

核燃料サイクル開発機構は12月22日、「高レベル放射性廃棄物地層処分研究の全体計画案」の研究開発課題に対する外部評価の実施結果を明らかにした。

サイクル機構は、研究開発の効率化・活性化とより優れた成果を挙げることを目的として、外部評価 (中間評価) を実施している。今回の評価は、「廃棄物処理処分課題評価委員会」 (委員長・石榑顕吉埼玉工業大教授) によって行われた。高レベル廃棄物地層処分研究の全体計画案に対する評価の結果では、(1) 目的・意義が明確かつ的確であり、国の方針、社会的ニーズにも適合する(2) 成果の反映先を実施主体の進める処分事業や国による安全基準等の整備と、地層処分概念に対する幅広い国民各層の理解の促進とに分けて明確に打ち出し、それぞれに対して、「地層処分実施の技術基盤整備」と「地層処分概念の理解促進のための技術情報の開発」を目標に掲げたことは適切であり、立地と理解の促進の観点から評価できる (3) 本計画の全体的な方向性は妥当であること、(4) 計画の内容は現在過渡的な段階にあるため、今後、必要に応じた計画の見直し、研究事項の追加など、柔軟で機動的な対応が望まれること -- などが指摘されている。

これを受けサイクル機構は、 (1) わが国全体としての研究開発のあり方について国や実施主体などの関係機関と調整を図りながら、柔軟な研究開発計画として進めるとともに、同機構としての優先順位などをより明確に定義していくこと (2) 深地層の研究施設の建設計画との整合性について十分に考慮しながら柔軟に研究開発を進めていくこと -- などを決めた。


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