[原子力産業新聞] 2001年1月5日 第2069号 <3面>

[英国] BNFL会長、新規原子炉の建設で公開協議実施を要請

英原子燃料会社 (BNFL) のH.コラム会長は先月始め、ロンドンで開催された英原子力学会 (BNES) と英原子力産業会議 (BNIF) の年次大会で、「英国に新規原子力発電所を建設する必要性について幅広い公開協議を実施すべきだ」と訴えた。

同会長はこの件に関する最初の提言を99年10月にすでに行っていたが、今回はまず、「もし英国民が電灯を灯し続けておきたいと願うなら、今後5年以内に重大な決定が下されることになる」と明言。BNFL はウエスチングハウス社と ABB 社の原子力部門を買収したことから、「今や原子燃料サイクル全般と国民が必要とする炉型の設計について十分な専門知識を有しているだけでなく、英国にはそれらを建設するサイトもある」との認識を強調した。

同会長はまた、近年の英国発電市場でほぼ同量に保たれているガスや石炭、原子力などの発電バランスは、今後数年以内に急激に崩れていくと指摘。「現在の勢いで天然ガス火力発電所を増やしていけば、ガス火力の発電シェアは2020年には70%に達する」との政府予想を披露し、1つのエネルギー源にすべてを任せるようなものだとの危倶を明らかにした。

原子力の経済性について同会長は、「これまではコンパインド・サイクル・ガス発電に対する競争力は劣っていた」と認めており、初期の原子炉設計では予定通り予算の範囲内で完成することが少なく、それらが発電コストや廃止コストの上昇を招いていたと説明した。しかし、近年の状況は変わりつつあり、フィンランドの新規原発建設申請などを例に挙げ、これまでのようなことはもはや真実ではないと断言している。


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