[原子力産業新聞] 2001年1月11日 第2070号 <3面>

[中国] 初の高温ガス炉が完成

出力1万kW、当面は研究用

12月21日付けの新華社電を伝えた中国通信によると、中国で初の高温ガス冷却炉が同日、北京で完成し、初臨界に達した。

同炉の出力は1万kW で、清華大学原子力技術設計研究院が北京市の中心部から40km ほど離れた長城付近に設置したもの。同国の「863」ハイテク研究発展計画の重点研究15件のうちの1つであり、将来は北京電力網と接続する予定だが、現段階では電力を供給する計画はなく、次世代の先進的な原子力発電技術の研究開発と人材養成の拠点として使用することになる。総工費は2億5,000万元で95年に着工していた。

原子力技術設計研究院の呉院長によると、同炉には PWR の3倍の高温と高い発電効率があるほか安全性も高い。主要機器は中国独自の設計で製造しており、この完成により、今後5年間にこの炉型で産業化を目指して、効率がさらに高い原子力発電所を建造する基礎が固められたと述べた。また、「中国は米、英、ドイツ、日本に続いて5番目に高温ガス炉技術を持つ国になった」と述べるとともに、高温ガス炉を首都に設置したのは世界でも初めての例だと強調。朱麗蘭科学技術相も「中国の原子力平和利用技術は新たな段階に入った」と評価している。


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