[原子力産業新聞] 2001年1月11日 第2070号 <3面>

[米国] ブッシュ次期大統領、DOE次期長官にエイブラハム氏を氏名

米国のG.ブッシュ次期大統領は今月初め、ミシガン州選出の元上院議員で共和党所属のスペンサー・エイブラハム氏 (47) を米国エネルギー省 (DOE) の次期長官に指名した。この人事は上院の承認をもって正式決定する。

弁護士の肩書を持つエイブラハム氏は90年当時副大統領だったD.クエール氏に仕えた経験があるほか、92年まで共和党の議会委員会で共同議長を勤めた。94年に初めて上院議員に選出されたが、2期目をかけた昨年11月の上院選には落選。在任期間中に、商業・科学・運輸、予算、中小企業の各委員会に所属した。

記者会見でエイブラハム氏は「適切な電力供給やその適正な価格、新技術の開発に至るまで DOE が取り組むべき問題は山積している」と述べ、米国の大地と大気、水資源の良き管理者としての責任を全うしていきたいとの抱負を明らかにした。

この人選に関して米原子力エネルギー協会 (NEI) のJ.ケイン政府問題担当副会長は、「米国のエネルギー需要を賄い、大気汚染問題に対処する上で原子力が果たす重要な役割をエイブラハム氏がこれまでと同様、引き続き認識してくれることを期待する」とコメント。デジタル化によって急速に発展する経済においては過去最高値に達したエネルギー需要が今後も一層増加していくとの観点から、産業界としては同氏には米国のエネルギー・ミックスにおける主力電源として原子力発電の強化政策を押し進めて欲しいと訴えた。


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