[原子力産業新聞] 2001年1月18日 第2071号 <2面>

[電力各社] 使用済み燃料など輸送容器管理を強化

英仏2社と覚書き結ぶ

電力9社と原電は3日、使用済み燃料輸送容器などの定期自主検査に関して管理を強化する内容を委託先の英国原子燃料会社 (BNFL) と仏核燃料公社 (COGEMA) と協議し、契約を結んだ。

海外への使用済み燃料の搬出終了後、BNFL と COGEMA で保管していた海外向け使用済み燃料輸送容器63基のうち26基が、1999年12月に、定期自主検査の有効期限である1年以内に検査が実施されていないことが判明した。

委託契約に基づく海外への使用済み燃料の搬出は98年までに終了。その間、電力各社は我が国の規定により年1回の定期自主検査を行ってきていたが、当面国内での使用予定がないことから、運輸省の指導を踏まえ、2000年3月23日に、運輸省承認容器55基と科学技術庁承認の容器とあわせ63基の廃止届けを提出していた。

廃止届けの対象となったのは国内での使用に関してのみであり、輸送容器を海外で使用とする場合には差し支えがないという。

その後、全電力で海外再処理事業2社と再発防止対策を協議してきたが、今月3日、各電力ごとに管理強化策を盛り込んだ契約を締結することに至った。品質保証計画書や定期自主検査要領書の提出、自主検査実施責任の明確化のほか、電力や第三者機関による品質監査、検査への立会い、検査記録の確認などが盛り込まれている。

同じく両社により保管されている MOX 新燃料輸送容器と高レベル廃棄物輸送容器に関しては、検査が定期的に行われていることが確認されているが、今回あわせて、改善した検査管理方法を用いてより的確な管理がはかられることとなった。

さらに、こうした各電力個別の管理強化対策に加え、海外再処理委員会が輸送容器すべての検査期限を一括的に集中管理していくことも決められた。


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