[原子力産業新聞] 2001年1月18日 第2071号 <3面>

[台湾] 司法院、第4原発建設問題で行政院の手落ち認める

最終判断は関係者協議に

台湾の陳水扁政権による昨年10月の第4 (龍門) 原子力発電書建設プロジェクト中止決定が憲法に抵触するかどうか審議していた司法院大法官会議 (憲法裁判所) は15日、行政院 (内閣) が「国家の重要政策の変更による予算執行の停止」で立法院 (国会) への事前報告を怠ったのは政策決定プロセス上の手落ちだったと認める一方、立法院の事後報告拒否についても義務に反した行為と指摘し、最終的な処理判断は関連各機関の協議に委ねる形になった。

この日、記者会見した司法院の楊仁寿秘書長は、第4原発建設中止問題のこれからの処理方法について次の3つの可能性を指摘した。すなわち、(1) 行政院が立法院に報告し、多数の立法委員の支持を得ることで建設中止政策の実施を貫徹する (2) 行政院の報告に立法院が承服せず、多数の立法委員がこれに反対、異議を申し立てる旨の決議を行い、行政院が同決議を受け入れて建設予算執行の継続に同意する (3) 行政院と立法院の与野党党団間協議を通じて解決策に達する ---- など。

また、与野党が協議を通じて解決策に達することができない場合は、関連各機関は「憲法の既存のメカニズム」に基づいて行政院長 (首相) が引責辞任するか、立法院が内閣不信任案を提出する、もしくは立法院が原発建設に関して個別の法案を採決する ---- などの処理方法が考えられると指摘。しかし、いずれの方法を選択するかは関連各機関の問題であり、司法院が解釈すべきことではないとしている。

大法官の解釈発表を受けて、今後は2月20日の次の立法院会期までに与野党間で妥協案を模索する協議が行われると見られている。


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