[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <1面>

[総合資源エネ調査会] 原子力安全・保安部会、安全基盤確保を検討へ

研究の強化 情報公開など基本論点を整理

経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会(部会長・近藤駿介東大院教授)が1月29日、初会合を開催し、今後の検討課題などについて審議を行った。省庁再編に伴い、従来の総合エネルギー調査会が衣更えしてから初の会合で、昨年12月20日に開催して以来、実質2回目の会合。

この日の会合では、今後の審議の進め方についての検討が行われ、「原子力安全および電力保安のあり方」に関する基本的な論点整理を行うことや、特に「安全基盤の確保」については優先的に検討を行うこととなった。それぞれ今年中頃を目処に進める方針だ。

また同部会が基本的な論点整理を行った後、それを受けて今秋にも基本政策小委員会をスタートさせて具体的な方策の検討を進め、1年程度で中間報告を行う。

同部会では基本的課題として、安全確保や関連の研究の強化、また情報公開等による国民への説明責任を果たすこと、さらには国際的な規制ルールづくりなどへの積極参加などを審議する。そのため、原子力施設の安全確保を一層向上させるための課題として、リスク評価などを取り入れた安全規制の高度化、MOX加工事業化などにともなう核燃料サイクル事業の進展にあわせた規制体系の整備、原子炉の廃止措置や廃棄物問題、原子力防災対策の充実、電力保安制度の見直しなどを重点的に検討していくことにしている。

これらの個別の課題については、基本政策小委員会など10の委員会がそれぞれ並行して検討を進めることにした。そのうち、原子炉安全小委員会では、高経年化対策、安全目標の設定に対応した安全規制の高度化などを今年度から検討する。また核燃料サイクル小委員会では今年度からIAEAの輸送国際基準の考え方の検討、中間貯蔵の技術調査などに着手する。

さらに、それぞれ小委員会の検討課題について必要な技術的検討を行うため、小委員会ごとにいくつかのワーキンググループを設置することも決められた。

原子炉安全小委員会には安全評価についての2つのワーキンググループが設置されるほか、新型炉、燃料、定期安全レビュー、高経年化などの課題ごとに設置される。核燃料サイクル小委員会にも検討課題ごと、中間貯蔵や再処理、(MOX)加工などのワーキンググループが設置されるなど、技術的なフォローアップ体制も整うことになった。

各ワーキンググループは順次検討をスタートする予定だ。


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