[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <1面>

[東京電力] リサイクル燃料備蓄センターで「むつ調査所」を開設

立地可能性調査の拠点に

原子力発電所で発生する使用済み燃料の中間貯蔵施設である「リサイクル燃料備蓄センター」の立地に係わる技術調査の依頼を、昨年11月に青森県・むつ市から受けた東京電力は1月30日、同市内の旭町に「むつ調査所」を開設した。

むつ調査所には所員として27名の社員が常駐。リサイクル燃料備蓄センターの立地の可能性について所要の技術調査を進めるとともに、同センターの施設概要および調査の概要・状況などについて、地元住民への説明などを主に行っていくことにしている。

なお現地調査について東電では、「関根浜港周辺地域」において、4月から約1年かけて実施することを予定している。

リサイクル燃料備蓄センターは、貯蔵容量で約5,000トン程度 (キャスク 500基程度)、10万平方メートル程度の規模になる計画。その操業時期について東電は、2010年頃を予定している。

使用済み燃料の中間貯蔵については1998年6月、総合エネルギー調査会 (総合資源エネルギー調査会の前身) 原子力部会において、使用済み燃料を「リサイクル燃料資源」と位置づけるとともに、「わが国の使用済み燃料の取扱いの不透明さが立地地域の懸念や不信を生んでいる」との立場から、各種制度整備を提言した報告書「リサイクル燃料資源の中間貯蔵の実現にむけて」が策定されている。

東電では全国規模で施設建設の候補地選定を行っていたが、昨年11月にむつ市からの「リサイクル燃料備蓄センター立地にかかわる技術調査」の依頼を正式に受け、立地可能性の調査にむけて検討を進めていた。


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