[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <1面>

[九州電力] 川内3号機増設で、環境影響調査について市長が実施に同意

九州電力の川内原子力発電所3号機増設計画について、昨年9月に九電から環境影響調査の申し入れを受けていた地元川内市の森卓朗市長は1月26日、同市の市議会全員協議会で、増設とは切り離して考えたいとしながらも、同調査の実施に同意することを明らかにした。増設に関する問題について、態度を表明した鹿児島県内の首長は森市長が初めて。

川内市議会は昨年6月、環境影響調査の早期受入れを求める陳情を採択していた。受入れの理由について森市長は (1) 今後も原子力を国の基幹電源に位置づける「原子力研究開発利用長期計画」が策定された (2) 原子力発電施設などの立地地域および周辺地域の産業、生活環境のより一層の整備を図ることを目的とした「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」が成立した --- などを挙げており、同日夕方、鹿児島県庁を訪れて、須賀龍郎鹿児島県知事に、調査受入れの意向を伝えた。

環境影響調査では (1) 大気環境、水質環境、海生生物、陸生生物などに関する調査 (2) 敷地内および敷地外での地質構造や断層などの調査 (3) 風向、風速などに関する調査 --- などが、現地調査および解析期間を含めて、約3年ほどかけて行われる。

川内原子力発電所3号機は、環境問題とエネルギーセキュリティなどの観点から、原子力を中心とした自社電源のベストミックスが必要と判断し、2010年代の早い時期に原子力発電所1基が必要との方針を打ち出していた九電が、同社7番目の原子力発電ユニットとして計画しているもので、炉型は同社初となる改良型加圧水型軽水炉 (APWR)、出力は150万kW級で計画されている。


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