[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <2面>

[原研] HTTR、出力上昇試験を再開

日本原子力研究所の高温工学試験研究炉 (HTTR) は1月29日、昨年8月からの定期自主検査を終え、出力上昇試験を再開した。

原研では、今回の試験で出力を約20メガワット、原子炉出口冷却材温度約600度C に上げ、原子炉を除熱するのに一次加圧水冷却器のみを使用する単独運転、および将来の核熱利用に向けた一次加圧水冷却器と中間熱交換器を用いた並列運転を行うとしている。その中で、 (1) 冷却系統の除熱性能試験 (2) 原子炉の出力や温度の制御特性試験 (3) 一次遮へい体等の性能試験 --- などを実施、各機能の確認を図る予定だ。

HTTR は、昨年7月に一次加圧水冷却器ヘリウム流のスクラム信号により原子炉が自動停止。出力上昇試験を中断し、スクラムの原因調査などを行うとともに、引き続き8月からは定期自主検査を実施していた。今後段階的な出力上昇を経て、今年前半までに出力30メガワット、原子炉出口温度約850度C での運転を目指す。


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