[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <3面>

[オーストラリア] 低レベル同位元素用処分場建設で環境調査

オーストラリアのウラン情報センターが1月25日付けで伝えたところによると、豪州のN.ミンチン産業・科学・資源相はこのほど、サウスオーストラリア州北部のイベッツ・フィールド・ウエストで国立低レベル放射性廃棄物処分場としての環境影響調査を実施することになったと発表した。

豪州には商業用の原子力発電所は1基も稼働していないが、放射性同位元素を医療用および工業用に活用しているため毎年60立方メートル程度の低レベル廃棄物が出る。この処分のため豪州政府は過去8年にわたって地質や地下水、輸送アクセスやセキュリティなどの点を選択基準に候補地の調査を実施。過去数か月の間にはイベッツ・フィールド・ウエストを含む3つの候補地 (いずれもサウスオーストラリア州内) で試掘調査が完了し、環境影響評価と規制手続きの段階に入った。関連の諮問作業には1年費やされることになるが、最終的にどの候補地に建設するかはここ1、2年で決定される見込みだ。

ミンチン大臣によると、イベッツ・フィールド・ウエストは石まじりの砂漠地帯に位置し、平坦な丘状になっている。地表の水はけがよく処分孔の建設とメンテナンスには最適の環境であるほか、岩盤は粘土質なので地下水の侵入を防げるなどバリア効果が高い。乾いた固体の廃棄物のみを対象とする予定で、スチールやコンクリートで作ったドラム缶に封入後、処分孔に埋設する計画になっている。


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