[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <3面>

[BNFL] マグロックス導入計画を中止

商業的リスク大きい

英原子燃料会社 (BNFL) は1月25日、マグノックス原子炉への新型マグロックス燃料の導入は採算が合わない可能性があるとの理由で中止することになったと発表した。

マグロックス燃料はスチール製の管に酸化ウランのペレットを充填するという構造。同社が操業するマグノックス炉の中でも比較的新しいオールドベリー (各23万kW、GCR 2基) 、ウィルファ (各56万5,000kW、GCR 2基) の両発電所で導入が検討されていた。昨年5月に BNFL が公表したマグノックス炉操業計画によると、これら2つの発電所はそれぞれ2013年と2016年 (または2021年) まで運転の継続が決まっている一方、2010年までに6基が閉鎖となる。セラフィールドにあるマグノックス炉専用の再処理工場はすべての使用済み燃料を再処理した後、2012年以降の閉鎖が予定されているが、BNFL によればこのような予定を実行に移すにはマグロックス燃料の利用と両発電所で現在の運転認可が切れる2004年 (オールドベリー) および2008年 (ウィルファ) 以降の定期安全審査がすべてうまくいくことが前提だ。

M.モラント担当理事は、「財政的および人的な資源の投資問題もあり、この計画の長期的な価値を現実的に見つめてみると、将来の電力価格が安定し規制手続き上の遅れも最小限でなければならないなど、商業リスクが伴う」と指摘。これらの前提条件の1つか2つでも満たされなかった場合、計画の実行可能性は疑わしく、BNFL としては、導入の中止を決めたと説明している。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.