[原子力産業新聞] 2001年2月1日 第2073号 <3面>

[オランダ] 仏へ向け、使用済み燃料輸送を再開

オランダの EPZ 社は1月17日、同社が所有・運転する同国唯一の原子力発電所であるボルセラ発電所 (48万1,000kW、PWR) の使用済み燃料を96年以降初めて、フランスのラアーグ再処理工場に向けて輸送開始した。

欧州では98年に使用済み燃料輸送キャスクの汚染が発見されて以来、一時期多くの国で使用済み燃料の輸送を禁止。オランダでは97年に閉鎖されたドーテバルド原子力発電所 (5万8,000kW、BWR) の使用済み燃料が昨年12月に2年半ぶりで英国セラフィールドにある酸化物燃料再処理工場 (THORP) に輸送された。

今回の輸送は昨年7月に規制当局から認可を受けたもの。6体で合計80トンの使用済み燃料が発電所内の冷却プールから搬出され、4km離れた最寄りのブリシンゲン・オースト駅から鉄道でフランスに向かった。輸送の途中でベルギー国内を通り抜けるため、昨年9月に反原子力団体が訴訟を起こしていたが、この訴えは最近になって棄却されている。

EPZ 社によれば、今回から TN17 という最新型キャスクを使用しているため、これまで最大3体だった燃料体を一度に7体封入することが可能。これにより年間で10〜15回を予定していた輸送回数も2〜3回で終了できると見込まれている。


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