[原子力産業新聞] 2001年2月15日 第2075号 <2面> |
[放射線審議会] 規制免除で中間報告専門的審議にむけ基本部会を設置省庁再編に伴い、新たに文部科学省に設置された放射線審議会が14日、都内で開かれ、会長に長瀧重信・放射線影響研究所理事長を選出し、専門的な審議検討を行うため基本部会の設置を決めた。 放射線障害防止に係わる技術基準の策定を目的に1958年に設けられて以来、72回目の会合となる。 この日、長瀧新会長の選出に続き池田正道・元東京都立アイソトープ総合研究所長が会長代理に指名された。また長期的な課題として、従来から検討されていた規制免除についての検討の中間報告が行われた。 国際放射線防護委員会が1990年勧告 (パブリケーション60) を行い、各国でそれぞれ国内規制制度等への導入検討が進んでいる。特に従業員の被ばく線量限度などを検討する際に「潜在被ばく」「線量拘束値」「除外と免除」という3つの重要な考え方が示されている。日本への導入にあたって、規制の対象からどの線量レベルで「除外と免除」の対象にするかを優先して検討するため従来の放射線審議会・基本部会が「除外と免除検討ワーキンググループ」を1999年6月に設けて専門的な検討してきていた。 この日の審議会では、ワーキンググループの座長をつとめた小佐古敏荘東大助教授が報告。検討の対象となる核種や被ばくの経路、評価の対象にする人など基本的な考え方と、それにそって考えられる被ばくのシナリオに基づく線量の評価結果などを示した。そのうえで、今回の計算で得られた免除レベルを国内に取り入れる場合、産業界や研究所で使用されている放射性同位元素を用いた測定機器等のほとんどが規制の対象になってくることが考えられるとした。現行法令との兼ね合いの問題や、国際的に流通している関連製品も多いことから、国際的な整合性をはかる必要性を含めて、今後関連する製品の国内流通実態調査を実施するなどして、国内の影響をはかることが必要であるとの認識を示した。 審議会では、こうした問題などを専門的な見地から検討していくため、改めて基本部会の設置を了承し、引き続き「免除と除外」のレベル (線量限度) についての検討をつめていくことにした。 |