[原子力産業新聞] 2001年2月22日 第2076号 <6面>

[センター試験] 大学入試に食品照射

放射線利用取り上げる

1月21日に実施された2001年度の大学入試センター試験で、物理の試験問題に食品照射が取り上げられた。「センター試験問題として、こうした放射線の利用について出題されたのは初めてでは」と、関係者の間で話題となっている。

この試験問題は、物理IA選択問題の第5問Bで、「放射線と食品保存について考えてみよう」という内容のもの。

設問は、19世紀の終わりごろベクレルが放射能をもつことを発見した元素は何かを訪ね、不安定原子核が他の原子核に変わっていく際に出す放射線にはアルファ線、べータ線のほかに何があるかの答えを求めている。

これに続いて、「この放射線を食品に照射すると殺菌、殺虫、熟度抑制、発芽防止に有効であることが分かり、食品を保存するための研究が行われるようになった」として、研究の結果、日本でも唯一ジャガイモだけが発芽防止のために照射が許可されていることを紹介。「このような放射線利用は食品照射と呼ばれている」と記述されている。

「食品照射は、照射による発熱がない、包装したまま照射できる、化学処理とは異なり有害物質の残留のおそれがないなどの特徴があると言われている」との解説を加えたうえで、試験問題は、包装したまま照射できる理由は放射線の物質に対するどのような性質によるものかを尋ねている。


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