[原子力産業新聞] 2001年3月1日 第2077号 <1面>

[原産] 青森で燃料サイクル中心に年次大会を開催

地球、エネ、環境保全がテーマ

日本原子力産業会議は2月22日、4月に青森で開催する第34回原産年次大会の準備委員会 (委員長・吉田豊弘前大学学長) を開き、大会の最終プログラムを固めた。

今大会の基調テーマは「21世紀の原子力−地球、エネルギー、環境の保全のために」。25日午前の開会セッションから27日午前のセッション6まで、7つのセッションで構成される。

25日の開会セッションでは、大会準備委員長の吉田豊弘前大学学長の挨拶、西澤潤一原産会長の所信表明および政府関係者代表が所感を述べる。開催地青森県の木村守男知事が講演した後、M.エルバラダイ IAEA 事務局長、米国のピューリツァー賞受賞作家R.ローズ氏、A.ローベルジョン仏 COGEMA 社会長らが特別講演を行う。

同日午後のセッション1では、「原子力−地球環境になぜ必要か」と題して、パネル討論を行う。英国ニューキャッスル大学名誉教授のI.フェルズ氏が地球温暖化問題に対する原子力の必要性を講演し、森嶌昭夫地球環境戦略研究機関理事長、宮本一関西電力副社長、L.エチャバリ OECD/NEA 事務局長、李東暉中国国家原子能機構副主任らがパネル討論を行う。

午後6時からは、恒例となっている「市民の意見交換」の会が開かれる。

26日は、午前のセッション2「原子燃料サイクル施設のある日英仏3地域から、世界へ」として、木村知事のほか、J.カニンガム英国カンブリア県選出国会議員やP.グレゴワール仏ラ・マンシュ県知事が、原子燃料リサイクルの意義と地域への貢献で意見を交わす。

この日の午後は、会場を六ヶ所村文化交流プラザに移して2つのセッションを行う。

セッション3「使用済み燃料再処理の技術はいかにして確立したか各国の建設と運転経験」では、仏 COGEMA、英 BNFL からの参加者に加え、サイクル機構と日本原燃からパネリストを迎えて討論を行う。再処理政策の意味を再確認しながら、六ヶ所再処理工場の運転開始に向け、特に青森県民に理解を深めてもらうのがねらい。

セッション4では、橋本六ヶ所村長のほか、村上東海村長、西川柏崎市長らがサイクル事業と地域との共生をパネル討論の中で考えるとともに、住民との意見交換も行われる。

最終日の27日は青森市内に戻り、セッション5で、英国、米国、フィンランドからの講演者が「電力自由化の中で再評価されつつある原子力」について発表する。

セッション6では、C.バタイユ仏国会議員を基調講演者に迎え、高レベル廃棄物処分に向けたステップと推進方策に関し、スイス、米国、日本のパネリストが討論を行う。

24日には、テクニカルツアーのほか、夜にはレセプションが開催される。このほか、25日昼には、午餐会で国立歴史民族博物館館長による特別講演や、原子力界の若い世代が中心となって意見交換を行う場が設けられる。


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