[原子力産業新聞] 2001年3月1日 第2077号 <3面>

[欧州] 仏電力の独社株取得を承認

独占防止条件付き

欧州委員会 (EC) は2月7日、フランス電力公社 (EDF) がドイツで4番目の規模を持つ電力会社であるエネルギー・バーデン・ビュルテンベルク社 (EnBW) の株式34%を取得することを条件付きで承認した。

EnBW は主にフランスとの国境に近い独南西部で活動しており、フィリップスブルク原子力発電所を所有・操業しているほか、オブリッヒハイム原発の所有権の大半を保有している。今回の承認により、EDF はドイツ南西部の9つの地区の組合である OEW とともに EnBW を共同管理していくことになった。

EC が EDF から EnBW 社株購入の意志を初めて伝えられたのは昨年8月31日のこと。しかし、国営電力である EDF は元々、仏国内の電力供給送電市場で独占的な地位を維持しており、それがこの株取り引きによってさらに強化され、競争原理が働かなくなることを懸念した EC は同取り引きが欧州市場に及ぼす影響について10月2日から詳細な調査を開始していた。その結果、(1) EDF は市場価値の3割に相当する仏国内の発電設備600万kW 分を競争会社に利用させる (2) EDF は仏国の電力会社であるローヌ・ナショナル・カンパニー (CNR) における議決権を放棄するとともに、同社理事会に出していた代表者を引き上げさせる (3) EnBW はスイスの電力会社である WATT 社の株式24%分を手放す−を条件に取り引きの実行を認めたもの。


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