[原子力産業新聞] 2001年3月8日 第2078号 <2面>

[バックエンド推進センター] 廃止措置で報告会

「検認の制度化を」

原子力研究バックエンド推進センター (旧原子力施設デコミッショニング研究協会) は2月27日、東京都内で「第12回報告と講演の会−デコミッショニングの時代を拓く−」を開催した。

冒頭、辻榮一理事長は同センターが従来の廃止措置技術の研究開発に加え、昨年末に RI・研究所廃棄物処理処分の実施主体としての事業を開始することになったと挨拶。「国のバックエンド政策に貢献していきたい」と抱負を述べた。

川上泰専務理事は、今年度の事業として、原子炉解体高度化技術開発、解体物の再利用・処理に関する「クルーシブル法溶融試験」、解体廃棄物の区分ごとの放射能確認方法に関する技術、スロバキアA-1炉の技術評価などにおける事業結果を報告するとともに、来年度の事業計画を紹介。クルーシブル法溶融試験では、人形峠でホット溶融試験を行うことや、カザフスタンの BN-350 廃炉技術に関する調査などを行いたいとした。

続いて、「原子炉解体高度化技術」「原子炉圧力容器の遠隔・機械的切断技術」「ラジカル除染技術」について技術開発成果で報告。また来年度からは、「ふげん」の廃止措置計画を視野に入れた技術開発に着手することが紹介された。

この後、石榑顕吉埼玉工業大学教授が特別講演。「今世紀は環境の世紀と言われる。元来、環境回復のための廃止措置活動は、廃棄物処分とあわせ21世紀的な意味をもつ。新 RANDEC の任務は重要だ」と述べた。同教授はさらに、我が国や米国の廃止措置をめぐる状況を紹介したうえで、「今後は社会に受け入れられるクリアランスレベル検認の制度化と解体廃棄物の再利用を奨励すべき。発電所以外の施設の廃止措置も重要性を増すことから RANDEC の今後に期待する」とした。


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