[原子力産業新聞] 2001年3月8日 第2078号 <3面>

[米国] マコウスキー議員、エネ政策法案を提出

目標は原油輸入量半減

米議会上院のエネルギー・天然資源委員会委員長を務めるF.マコウスキー議員 (共和党、アラスカ州選出) は2月26日、新規原子力発電所の建設促進項目を含んだエネルギー政策法案 (S389号) を提出した。

「国家エネルギー保障法案2001」と題された同法案で、マコウスキー議員は原油輸入量の削減と国内の発電電力量増大によって米国のエネルギー供給を保障するよう呼びかけており、原子力、再生可能エネルギー、水力および石炭火力による発電量の最大限の拡大が目的だとしている。同議員によれば、「米国は毎日800万バレル以上もの原油を輸入しているが、これは非常に危険な戦略」これを2010年末までに50%まで削減することが最終目標だと訴えている。同議員のほかに民主党のJ.ブロー議員を含む超党派の議員9名が同法案の共同提出者として名を連ねている。

同法案の中で原子力に関連した項目としては次のようなものがある。すなわち、(1) 原子力も含めて新規発電設備の建設促進に必要な革新的な財政的措置を米国エネルギー省 (DOE) が評価する (2) 新規原子力発電所の価格低下を加速するとともに使用済み燃料の一時貯蔵に要した費用を経費扱いとする (3) 廃炉信託基金への払込金で税額を控除するほか、原子力発電所の売買に際して同基金の譲渡を非課税扱いとする (4) DOE は国家使用済み燃料取扱戦略を策定するとともに、使用済み燃料研究部門を設置して使用済み燃料と高レベル廃棄物の処理処分およびリサイクルに関する技術の研究開発と実証プログラムを実施する (5) DOE は電力の安定供給に原子力がべースロード用電源として果たした役割を毎年詳細に議会に報告する−など。

同法案にはさらに、原子力発電所事故時の補償を定めたプライスアンダーソン法の10年間延長を認可する条項、原子力が大気浄化に果たす役割を改めて評価する項目などが盛り込まれている。


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