[原子力産業新聞] 2001年3月29日 第2081号 <3面>

[米国] 昨年の運転実績が良好

米国発電量は7,500億kW 時

米国で稼働する103基の原子炉は昨年、過去最高レベルの発電電力量を記録したほか、信頼性、安全性ともに優れた実績を収めたことが13日に明らかになった。

原子力発電運転協会 (INPO) が公表したデータによると、米国の原子力発電所が昨年1年間に発電した総電力量は7,550億kW 時に上り、99年に達成した7,279億1,300万kW 時を大きく更新した。設備利用率も概して高率で、平均の数値は89.6%となっている。INPO のA.トリソン副理事長は、「原子力産業界のこの10年間を締めくくるすばらしい実績」と高く評価。米原子力エネルギー協会 (NEI) のR.ビードル原子力担当官も、「原子力発電所は昨年も高い安全性を維持しつつ我々の顧客達の電力需要に応えた」と付け加えるとともに、「原子炉がこのように安全かつ高い信頼性をもって低コストで操業しているため、ビジネス界や学術者、政策立案者達や一般市民の間でも原子力は米国の今後のエネルギー需給で重要な役割を果たし続けるに違いないというコンセンサスが生まれつつある」との認識を表明した。

原子力発電所におけるその他の実績は次のとおり。

▽計画外の自動停止は世界原子力運転者協会 (WANO) の2000年目標を上回り、3年連続で1基あたりのメディアン値がゼロになった。

▽主要な3つの安全系 (2つの主冷却系および緊急時対応のバックアップ電力供給系) も9年連続で2000年目標を達成した。

▽99年に製造業部門の20万時間あたりの損傷率が8.1だったのに対し、原子力発電所における同じ作業時間あたりの2000年の産業事故率は0.26だった。

▽放射線防護分野でも BWR における従業員の集団被曝線量が3年連続して2000年目標値をクリア。PWR でも同様の実績を残している。


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