[原子力産業新聞] 2001年4月5日 第2082号 <1面> |
[電力] 2001年度電力供給計画電力各社、自由化にらんで、計画を下方修正各電力会社からの電力供給計画をとりまとめた2001年度の電力供給計画が経済産業省から3月30日発表された。計画では2010年度までに運転開始予定の原子力発電を13基、1,693万7,000kW としており、2010年度時点での合計出力は稼働中のものとあわせて6,184万kW。なお現行の長期エネルギー需給見通しでは6,600万kW から7,000万kW を目標としていた。 新年度の供給計画では電力需要等について、至近の景気動向及び省エネルギーの着実な進展を織り込んだ結果、需要電力量の年平均伸び率を1.5% (対前年計画マイナス0.3%、気温補正後1.6%) と想定している。また、最大需要電力は、年平均伸び率を1.7% (対前年計画マイナス0.2%、気温補正後1.6%) と想定したうえで、将来的には安定供給が可能な供給予備率で、8から10%程度を確保できるとしている。 年負荷率については、料金制度の多様化・弾力化、奨励金の導入や国における蓄熱空調システム導入促進などの負荷率平準化対策により、年負荷率は、1999年度実績値 (気温補正後) の58.1%より、0.5%上昇させ、58.6%としている。 原子力開発計画については、北海道電力の泊3号機 (PWR、91.2万kW)、東北電力の女川3号機 (BWR、出力 82.5万kW)、同東通1号機 (BWR、出力110万kW)、東京電力福島第一7、8号機 (各 ABWR、各出力 138万kW) など、13基 (合計1,693.7万kW) が2010年度までに営業運転を開始する計画としている。このほか、中国電力の上関1、2号機 (各 ABWR、各出力 137万kW) など7基が開発計画にあがっている。 火力及び揚水の開発計画については、電気事業者が今後10年間で新たに運転開始または調達する予定となっている火力発電所の出力合計が、2,875万kW、 (石炭・1,565万kW、LNG・1,100万kW、石油等・210万kW) など。また、今後10年間で新たに運転開始予定の揚水発電所の出力合計は、270万kW。 電力需要の先行きや自由化への備えなどもあって、電力各社は供給計画を下方修正する動きをみせており、設備投資総額も3兆円を割り込む水準に下方修正された。 原子力発電に関しては、環境負荷などの面からエネルギー政策との整合性をはかるために従来通り開発を進める計画となっているが、立地の長期化が課題。総合資源エネルギー調査会の検討では、現行の長期エネルギー需給見通しに掲げられた政策を実現したとしても、原子力発電を13基とした電源計画では、2010年度時点での C02 排出抑制目標を7%超過する見通しが示されていた。
注1) 2010年度までに運転開始する予定の原発は13基 |