[原子力産業新聞] 2001年4月5日 第2082号 <1面>

[日本原子力発電] 東海発電所、燃料取り出しが完了

安全貯蔵後、解体へ

日本原子力発電は3月29日、東海発電所で1998年5月から進めてきた炉心部からの燃料取り出し作業を完了した。

作業は同日午後2時から最後の燃料が炉心部から取り出され、15分後には燃料が燃料取替機に収納された。これにより炉心から燃料がすべて取り出された。燃料取替機に収納された燃料は使用済み燃料分離装置によって、燃料棒と黒鉛スリーブに分離される。燃料棒は使用済み燃料冷却プールへ移送され、最終的には、6月半ばをめどにサイト外に搬出され、英原子力燃料公社に委託してセラフィールドで再処理される見通し。

同発電所は、燃料取り出し・搬出の終了後、タービンなど周辺機器を除染し、5〜10年間安全に貯蔵した後、解体・撤去することになる。また廃炉措置費用は、現時点で見積ると約900億円で、内訳は解体に300億円、処理処分に600億円。費用の資金調達は、85%が事前に電気料金に上乗せされており、残りの15%は原電が負担する見込み。

東海発電所は国内初の商業炉として66年7月に営業運転を開始、98年3月31日に発電を停止した。生涯の発電時間は21万5,320時間で、その間の総発電電力量は290億672万kW時に達し、平均時間稼働率77.5%、設備利用率62.9%を記録した。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.