[原子力産業新聞] 2001年4月5日 第2082号 <2面>

[電中研] 研究プロジェクトを発足

高レベル処分に重点

電力中央研究所は1日付けで、「高レベル放射性廃棄物処分研究プロジェクト」および「大電力試験所」を設置する組織改正を行った。

高レベル放射性廃棄物処分研究プロジェクトは、昨年6月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が交付され、また同年10月に高レベル放射性廃棄物処分の実施主体である「原子力発電環境整備機構」が発足するなど進展を続けるわが国の高レベル放射性廃棄物処分事業の流れの中で、「高レベル放射性廃棄物処分事業の円滑な推進に向けての技術協力・支援という役割を着実に担って行く」ことを目的に、我孫子研究所内に設置された新プロジェクト。

ここでは、高レベル放射性廃棄物処分に関する技術協力および支援として、サイト選定の最初の段階である「概要調査地区選定」に必要な技術開発、安全かつ合理的な処分概念や技術・手法の確立に向けた課題の解決を目指し、電中研の地質、地盤耐震、構造などの多分野にわたる専門家が連携して研究を集中的に進めて、事業の円滑な進展に貢献することをねらう。

一方「大電力試験所」は、横須賀研究所の大容量電力短絡試験設備を使用して、電力機器の性能評価試験業務への組織的かつ効率的な対応をはかる。

これまで横須賀研究所において、数多くの電力機器の性能評価試験や電力系統事故時における諸現象の解明研究などを行い、研究成果や試験結果に対する証明書の発行を通じて電力事業を始めとする社会に貢献してきた電中研だが、大電力試験所を設置することにより、今後も同分野における評価試験・研究活動を継続、発展させていくとともに、国際標準化機構 (ISO) / 国際標準化会議 (IEC) の基準に基づいた「試験所認定制度」など、試験遂行能力に関するグローバル・スタンダード化への対応も視野に入れた大容量電力短絡試験研究活動の展開を図っていく。


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