[原子力産業新聞] 2001年4月12日 第2083号 <2面>

[経済産業省] 原発トラブル、前年度も少数

「高い安全性を維持」

経済産業省の原子力安全・保安院は5日、2000年度に同省所管分の原子力施設で発生したトラブルを取りまとめ、発表した。それによると、研究開発段階炉を除いた原子力発電所から同年度に報告されたトラブル件数は26件。原子炉1基あたりのトラブル発生件数に換算すると0.5件となっており、わが国の原子力発電所は、2000年度も引続き非常に高い安全性を維持していることが明らかになった。

原子力施設のトラブルについては、法律または通達により電気事業者、加工事業者、再処理事業者、廃棄物管理事業者、廃棄物埋設事業者から原子力安全・保安院へと報告がされることになっている。今回発表されたのは、この報告に基づいて保安院が作成したもので、2000年4月1日〜01年3月31日までの期間中に報告された、経済産業省所管分の原子力発電所をはじめとする原子力関連施設において発生したトラブルについての取りまとめがなされている。

2000年度中、法律に基づき報告されたトラブルは、原子力発電所で19件、研究開発段階炉で1件、その他原子力施設で0件。通達に基づき報告された軽微なトラブルは、原子力発電所で7件、研究開発段階炉で1件、その他原子力施設で1件だった。

具体的には、期間中に原子力発電所 (研究開発段階炉を除く) から報告されたトラブルの件数は26件 (前年度29件) で、原子炉1基あたりのトラブル発生数に直すと0.5件 (同0.6件) と、わが国の原子力発電所は引続き、非常に高い安全性を維持していることが明らかになった。また研究開発段階炉 (発電の用に供する原子炉) において同年度に報告されたトラブル件数は2件 (前年度5件)。

一方、加工施設、再処理施設、廃棄物管理施設、廃棄物埋設施設において当該年度に報告されたトラブル件数は1件 (前年度1件) と、こちらのトラブル発生率も、非常に低く抑えられている。

これらトラブルには、国際原子力事象評価尺度 (INES) による評価も行われている。2000年度の原子力発電所のトラブルにおいては、レベル0プラスが1件、レベル0マイナスが20件、評価対象外が5件 (いずれも暫定評価含む) となっており、全てが非常に軽微なものであった。さらに、その他の原子力施設のトラブルにおいては、全てが評価対象外とされている。


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