[原子力産業新聞] 2001年4月12日 第2083号 <3面>

[英国] MOX製造施設の経済性評価実施へ

並行して公聴会も

英国のM.ミーチャー環境相は3月28日、英原子燃料会社 (BNFL) がセラフィールドに建設した MOX 燃料製造加工施設 (SMP) について独立の立場の専門家による経済性評価を行うほか、並行して第4期目の公聴会を実施することになったと議会で述べた。

同相によると、SMP の経済性は BNFL が改訂した報告書を専門家達が実質8週間かけて評価することになっており、10週間目には報告書が提出される予定。BNFL としては SMP の操業には3億100万ポンド (約530億円) の経済的価値があると試算しており、MOX 燃料市場の既存の顧客だけでなく、潜在的な顧客からも SMP の操業を支持する書簡を受け取ったと強調している。また、プルトニウムを有効利用する SMP は、将来的には英国のプル在庫量の削減という重要な役割を果たすことになるとの認識を明らかにした。

SMP は年間の製造能力120トンで設計されており、本格的な操業を前に政府の運転認可発給を待っている状態。第3期目の公聴会は2年近く前に実施されたが、その直後に MOX 実証施設 (MDF) でのデータ改ざん事件が発覚し、BNFL の MOX 事業全体が深刻な影響を受けた。MDF はその後、操業を一時停止していたが、昨年末には原子力安全当局から安全性と再起動に問題がないことを保証されている。


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