[原子力産業新聞] 2001年4月12日 第2083号 <4面>

[COP6] 政府訪米団、京都議定書めぐって米政府関係者に参加促す

西川太一郎経済産業大臣政務官は、4日から米国ワシントンを訪問し、気候変動枠組条約京都議定書をめぐる問題につき、米政府関係者等と会見し、働きかけを行った。

西川経済産業大臣政務官は、先に米国政府が京都議定書を支持しないとの立場を表明したことを受け、我が国の懸念を伝えるとともに、米国 COP6 の再開会合をはじめとする交渉に引き続き前向きに参加し、京都議定書の発効に向けてわが国と共に積極的に合意を模索するよう求めた。

今回の西川経済産業大臣政務官の訪米には、3日の閣議後に行われた関係大臣による協議の結果、政府が一体となって対応することで一致したことを踏まえ、これらの関係省庁からも参加したもので、同じ日程で訪米した与党三党の議員とともに、政府・与党代表団として、米国内の各方面に働きかけを行ったもの。

これについて経済産業省の広瀬事務次官は9日の定例会見のなかで、ウイットマン米環境保護庁長官、あるいはアミテージ国務副長官らとの話し合いの内容を明らかにした。日本側から、京都議定書に対する不支持表明が地球環境問題、温暖化問題に対する国際的な取り組みを危ういものしてしまうという心配を伝え、議定書の発行に向けた交渉への参加と、合意を模索することに強い希望を伝える一方、米国側からは、途上国が参加をしていないということや米国経済への影響についての懸念が伝えられたという。特に、今エネルギー問題がいろいろな面から厳しい状況があるなかで影響を懸念している旨の話しがあったという。ただ7月に COP6 の再開会合には出席し、それまでにいろいろな対応について米国政府内でも議論を進め、関係国等にも方針を明らかにする意向を示した。

広瀬次官は「引き続き、米国への働きかけをしながら、何とかこの問題について国際的な取り組み、枠組みをつくっていきたいと考えている」とした。また記者団からの質問に答え、米国抜きの枠組みの可能性に関して、「途上国が入らないことですら、やはり実効性の問題があるのだから、まして、世界の CO2 の4分の1を排出している米国が入らないということでは、ますます実効性のある地球温暖化対策ということから離れていく」と述べ、「あくまでも、米国政府の参加を要請していく」姿勢を強調した。


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