[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <3面>

[フランス] 科学技術オプション評価委員会、ガス炉開発への積極関与を勧告

「兵器級プル削減に威力」

ロシアなどの核解体で出るプルトニウム在庫量の削減に協力するため、フランスはガスタービン・モジュラー型ヘリウム炉 (GT-MHR) の開発にこれまで以上に直接的に係わっていくべきだとする報告書が9日に仏議会の科学技術オプション評価委員会 (OPECST) から明らかにされた。

この勧告は、核解体プルの MOX 燃料への転換や、中・東欧州地域における民間原子力施設の安全性改善支援などを OPECST が審査した結果をまとめたもので、ほぼ正式な報告書の形を取っている。報告書の責任者で OPECST の副議長を務めるC.ビホー氏によると、現在世界には冷戦時代の遺産とも言える兵器級プルトニウムが250トン存在しており、これらは GT-MHR などの原子炉で燃焼するのに適した MOX 燃料へ転換することが可能だ。米露両国は昨年9月に解体核兵器から出たプルトニウムをそれぞれ34トンを転換することで合意に達しているが、同氏は「MOX 燃料への転換オプションは固化よりも有利なオプション」との認識を強調。プルトニウムヘの転換は出来るだけ早い時期にスタートする必要があるとともに、これらを GT-MHR のように防護性が保障され、プル燃焼度の驚くほど高い、なおかつ効率的で競争力のある電力の生産が可能な原子炉で燃焼利用すべきであると付け加えた。

ビホー氏はこの件に関連して、6月のG8サミットでロシアの MOX 燃料転換プログラムを財政支援する具体的な計画が策定されることを希望しており、フランスとしては特に原子力庁 (CEA) が中心となって GT-MHR 開発に一層直接的に取り組んでいくよう訴えている。


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