[原子力産業新聞] 2001年4月19日 第2084号 <6面>

[NSネット] 総会で今年度の事業計画決める

10事業所で相互評価

ニュークリアセイフティーネットワーク (NSネット) は13日、東京・千代田区の大手町サンケイプラザで2001年度の総会・理事会を開き、前年度の事業報告および今年度の事業計画などを決定した。

一昨年の JCO 事故を教訓として発足以来、原子力安全文化の共有化・向上を目指して活動を続けている NS ネットは、昨年度は4回のセミナー、17事業所での「安全キャラバン」を実施したほか、11事業所で「相互評価 (ピアレビュー)」を行うなど、積極的な活動を実施している。

今年度の事業計画では、「原子力安全文化を普及させる活動」として、会員の事業所を巡回して講演および安全管理、教育・研究活動などについて意見交換を行う「安全キャラバン」を昨年度に引続き19の事業所で実施することが盛り込まれているほか、同ネットの活動の中心となる会員間の相互評価 (ピアレビュー) については、5月に日本原燃で実施するのを皮切りに10程度の事業所を対象に実施する事を計画している。さらに同ネットでは、原子力施設で発生したトラブル情報やヒューマンファクターに関する情報をデータベース化したシステム (昨年より運用を開始) について、今年度は会員間における安全に関する情報のより一層の共有化を図ることを目的に、データベースを更に拡充していく予定だ。

また、今回の総会・理事会では役員の改選も行われ、理事長には牧野昇三菱総合研究所特別顧問が再任されたほか、10名の理事および2名の監事が選任された。

総会・理事会終了後、同ネット会員会社の経営トップおよび、事業所長級の幹部を対象とした「トップセミナー」が開かれた。セミナーでは牧野理事長の挨拶に加え、鈴木篤之東京大学教授による「原子力安全とリスク極小化」、三島健二郎日本航空常勤顧問による「企業危機管理の基本」の講演2本が行われ、約100名の参加者は、熱心に聞き入っていた。


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