[原子力産業新聞] 2001年4月26日 第2085号 <3面>

[フランス] コジェマ会長、再処理の必要性を強調

荷降ろし問題で会見

フランス核燃料公社 (COGEMA) のA.ローヴエルジョン会長兼最高経営責任者 (CEO) はこのほどル・モンド紙のインタビューに答え、使用済み燃料を再処理する原則を強力に弁護するとともに、反原子力活動家達の戦略は誤っているとの考えを示唆した。この記事は、環境保護団体の訴えを受けてシェルブール裁判所が下した裁定を4月3日にカーンの控訴裁判所が覆し、オーストラリアから海上輸送された使用済み燃料をコジェマがシェルブール港で荷降ろしするのを許可した数日後に掲載されたもの。今回の騒動に関して同会長は次のような見解を示している。

−控訴裁の判決にも拘わらず環境保護団体は法廷闘争を続ける考えのようだが、これによって使用済み燃料の荷降ろしに影響がでるか?

会長 控訴裁の決定は非常に明解で、我々を管理している個々の行政当局がすでに公けに説明したことを確認したにすぎず、ブゲネ号からの荷降ろしはすでに始めている。もし環境保護派の人達が当社に再処理させている法的な枠組みに異議を唱えたいとするなら、規制当局、もしくはそれらの変更を管轄している当局に抗議すべきだ。正直なところ、従来通りの手続きが不適切だからと言って当社が責められるのは非現実的なことに感じられる。我々に適用される手続きを定めているのは我々ではないのだから。

−またもや再処理が攻撃目標にされたが、それによって何か影響を受けたか?

会長 現在のところ、当社が対話や説明を拒否していた頃のイメージを再び定着させようとする少数の団体との消耗戦が展開されているわけだが、これはあまり現実に則したやり方とは思えない。(会長に就任して以来) 18か月間というもの、我々は当社の契約に関する非営利な情報をインターネットに流しているほか、ラアーグ再処理工場の使用済み燃料貯蔵プールの内容も燃料毎、国毎に明らかにするなど、情報の公開性に多大な努力を払っている。

フランスの所有でない燃料に関しては再処理と固化体返還の暫定的なスケジュールも公表しており、当社は世界的な規模の企業が24時間体制でインターネットに情報を流している最初の例と言えるだろう。

−再処理は本当に続けていく必要があるのか?

会長 再処理は廃棄物の容積を5分の1に、毒性を10分の1に下げられる化学処理であり、ガラス固化によって廃棄物を一層不活性化することも可能。ほかの方法ではこのようなことはまったくできないし、容積も毒性も最大な使用済み燃料のままでは貯蔵することさえできない。再処理はリスクを少なくするという意味で我々が知り得る最良の方法なのだ。

−しかし、再処理は世界全体として放棄される方向にあるのでは?

会長 それは絶対に違う。ドイツでは唯一、再処理を止める判断が下されたが、政府と電力会社の合意により2005年か2006年頃までは再処理のための使用済み燃料輸送が再開されることになった。欧州ではフランスのほか、ベルギー、スペイン、オランダ、英国、およびスイスが再処理の方針を取っており、オーストラリアは1年前に研究炉の使用済み燃料についてロシアや日本、インド、中国と同様、再処理することに決めている。


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