[原子力産業新聞] 2001年5月24日 第2088号 <1面>

[ITER] ITER計画墾、国内誘致最終判断へ

主体的参加に意義

原子力委員会の ITER 計画懇談会 (座長・吉川弘之日本学術会議会長) の最終会合が17日に都内で開催され、前回会合で提示された報告書案に対して寄せられたパブリックコメントを踏まえて、適宜修正を加えた最終報告書案について審議し、同案を了承した。

会合では、前回の報告書案から「ITER 計画に主体的に参加することに意義があり、さらに進んで設置国になることの意義が大きい」と書き改める案が諮られた。一部委員から、設置国にならなければ ITER 計画参加の意義が薄れるといった認識につながる恐れのある表現は避けるべきだとの意見が出されたが、最終的に「設置国になること」を強論する記述を懇談会として了承した。

会議終了後、ITER 懇談会の吉川座長は記者からの質問に対して、「今回の ITER 誘致への答えの出し方は、国家的なプロジェクトに対する意思決定メカニズムが貧弱な我が国にとって、今後に向けての好例を示すもの」との評価を下した。


原子力委員会は18日の臨時会議で、ITER 計画懇談会最終報告書案について吉川座長からとりまとめの説明を受けた。

同委員会では、ITER 誘致をめぐる最終判断につい長時間をかけて議論を継続し、いかに国民が納得できる形での結論を提示できるかを重視している。

一方、総合科学技術会議も今後、独自の立場から ITER 計画に対する検討を行うことが予定されるなど、国内誘致へ意思表明の期限となる今年7月に向け、政府内で意見調整が大詰めの段階を迎えることになる。


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