[原子力産業新聞] 2001年5月24日 第2088号 <2面>

[原研] 災害支援むけに緊急伝達システム開発

地震情報を迅速に

日本原子力研究所は10日、地震計ネットワークによる観測データと最新の地盤・地理情報を利用して地震の位置や規模・震度、被害状況を推定するとともに、被災地との双方向情報通信により災害支援をスムーズに行うことができる「地震情報緊急伝達システム」を開発したことを明らかにした。

同システムは、災害現場や自治体などのサイトと災害情報センターサイトの間を携帯電話やインターネットを通じてつなげるもので、自治体などのユーザが平常時に地域の家屋や人口、ライフライン等について更新しておいた最新データを用いて、地震発生時に災害情報センターが地震動分布や被害の推定を行いユーザーに伝達するシステム。各サイトのデータ管理には、亀田弘行・京都大学防災研究所教授が開発した最新の時空間データ管理システムが用いられている。

今回のシステム開発は、文部科学省の地震総合フロンティア研究の一環として行われたもので、原研の計算科学分野の技術が活用されている。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.