[原子力産業新聞] 2001年5月31日 第2089号 <1面>

[原子力委員会] 住民投票結果受け、国民との対話早期実現へ

原子力委員会は29日、定例の会合でプルサーマル導入をめぐる刈羽村の住民投票の結果をとりあげた。各委員からは原子力委員会として国民との直接対話を早急に進めるべきとの意見が相次ぎ、先に打ち出した市民との懇談会の準備を急ぐこととした。

会合のなかで木元委員は「原子力発電、行政に対する不信感が続いている。原点に立ち返ってなぜ原子力をやるのか掘り起こしていかないと理解は得られない」と述べ、国民と直接の対話を行う懇談会を原子力委員会として早期にたち上げる必要性を強調。竹内委員もプルサーマル導入に関して「国民の理解の入口までいっていないことを痛感した」と理解を求める活動を積極的に展開する必要があるとの考えを示した。森嶌委員は核燃料サイクルの必要性などについて説明不足の感があることを指摘し、「原子力一般に対する不安感があることが根底にある。長期計画で示したポリシーをわかりやすく国民に説明していく必要がある」とした。遠藤委員長代理は余剰プルトニウムの問題にふれ「今後どんな影響がでるか注意を払わなければならない」として、核不拡散上、日本に対する海外からの見方にも目を配っていくことが重要との見解を示した。


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