[原子力産業新聞] 2001年6月7日 第2090号 <2面>

[原電 他] 除染・清掃むけ新装置

保守点検に威力発揮

日本原子力発電、原電事業、アトックス、アマノの4社は、原子力施設などの床面除染・清掃に使用する新型装置を、共同で開発したと発表した。

「SN-II」と名付けられたこの新型除染・清掃装置は、(1) 各部構造の合理化などにより、一般用としての洗浄機能を有しながら、分割重量が30kg以下 (従来市販品は50〜100kg以上) と、非常に軽量・コンパクト (2) 除染性能の向上をねらい、パッド回転数を毎分200回転と低速化するとともに、パッド駆動軸を床面形状に追従できるようにして、パッドと床面の密着性を向上させた (3) 高性能 HPA フィルターを装着したことにより、除染時の空気汚染の防止に成功。また保守点検の平易化、除染速度の向上 (平坦床面において、人手の2倍以上の除染速度)、運搬性を向上させた−などが主な特徴。

原子力施設における除染作業は、床、壁、機器と対象が多岐にわたることから、これらに柔軟に対応するために、人手に頼るケースが多くなっている。その際作業員は、防護用具などを着用して作業を行うために負担が大きく、作業の機械化が望まれていた。

今回発表された除染・清掃装置は、比較的平坦な床面を対象として4社が99年から共同で開発を進めていたもので、既に特許は出願済み。今後は商品化して、日本原子力発電の各発電所へ導入するとともに、原電事業およびアトックスが販売元として (価格は120万円)、同製品の取扱いを行っていく予定だ。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.