[原子力産業新聞] 2001年6月7日 第2090号 <3面>

[英国] BE社、競争激化で利益激減

原発発電量、予想以下

英国の原子力発電所の持ち株会社であるブリティッシュ・エナジー (BE) 社は5月16日、3月末締めの2000会計年度決算を公表し、電力料金の引下げおよび原子力発電量の伸び悩みにより税引き前利益が前年実績の2億4100万ポンドから1000万ポンド (17億8000万円) にまで激減したことを明らかにした。

同社のJ.ロブ会長の説明によると、競争の激化と過度の規制により英国の電力市場は一層難しいものになった。ただし、総取り引き高は21億2400万ポンド (3780億円) で前年実績からわずかに増えたほか、負債額は前年の9億3600万ポンドから7億3000万ポンド (1299億円) に軽減されたとしている。

原子力発電所による総発電電力量はヘイシャム1、2号機およびハートルプール発電所の貢献により635億kW 時と前年を上回ったが、トーネス、ハンターストン、ダンジネスの各発電所で計画外の停止期間が長引いたため、当初期待した700億kW 時には達しなかったとしている。操業費の合計は11億8800万ポンド (2115億円) で6300万ポンドの節約に成功した。これは燃料費で1700万ポンド、核物質およびサービス費で900万ポンドの経費節減が達成された結果だと BE 社では説明している。原子炉の運転コストはキロワット時あたり1.87ペンスで、これも前年実績から6ポイント低下。しかし、電気料金の引下げが響いたため操業益は2億ポンド減の2億3000万ポンド (409億円) に留まった。

海外で展開している事業については、昨年はカナダの子会社であるブルース・パワー社がブルース原子力発電所をリース運転することでオンタリオ・パワー・ジェネレーション (OPG) 社と合意に達した。また、米エクセロン社との合弁企業であるアマージェン社は3基目の原子炉買収となるオイスタークリーク原子力発電所の取り引きをまとめるなど BE 社の利益に1300万ポンド (23億円) 貢献したとしている。


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