[原子力産業新聞] 2001年6月14日 第2091号 <1面>

[保安部会・防災小委員会] 災害時情報公開のあり方で議論

13日、初会合を開いた原子力運転管理・防災小委員会は、安全確保などの防災対応に重要な役割をもつ情報の公開をテーマにとりあげ、原子力災害の発生時に対応の拠点となるオフサイトセンターなどでの情報公開のあり方を議論した。住民の安全確保をはかるうえでの迅速かつ正確な情報公開、未確認情報等による混乱の回避、防災対応にあたっての静穏な環境の確保等の対応が必要との基本認識をふまえ、各委員からは、「日本では広報に対し間違って理解されていることを認識すべきだ。正確な情報を伝えれば信頼してもらえるというが、技術的で専門的な情報を国民は判断できない。人や組織に対する信頼が必要で、日頃からの信頼関係の構築が必要」と、広報の基本的な姿勢を見直す好機との意見がみられた。また「重点的な防災対応の範囲を定めているが、国は基本となる考え方を地域住民などにわかりやすく説明する必要がある」との要望や、「マスコミにはできるだけ丁寧な対応をするべきだ。公式発表をするのはいいが、プレス側はそこに至ったプロセスや解説がほしい。そのような説明のできる人間が対応する必要がある」などの意見が出された。

情報公開のあり方に関しては、事例の研究も含めて今後さらに検討を進め、基本的なルールなどの考え方をまとめる方針だ。

同小委員会は原子力施設の故障トラブル、保安規定や品質保証、放射線管理および防災対策関連の検討を行うが、当面は原子力防災対策を重点的に検討する予定で、防災指針等に示された防災対応の具体策を検討していく。


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