[原子力産業新聞] 2001年6月21日 第2092号 <3面>

[原子力フォーラム] 各国政府宛にCOP6.5で公開状

原子力の再評価要請

各国の原子力推進団体で構成される国際原子力フォーラム (INF) は、ドイツのボンで7月16日から27日まで開催される国連気候変動枠組み条約第6回締約国会議・再開会合 (COP6.5) で原子力の利用を地球温暖化対策の1つとして認識・評価するよう訴える公開書簡を各国政府代表団に提出する計画だ。同書簡にはこの趣旨に賛同する会員各社の署名の添付も予定しており、現在、各団体で賛同会社を募っているところ。日本での署名取りまとめは INF メンバーの原産が行っているので、連絡は原産・政策企画本部まで (電話 03-3508-7927)。書簡とともに提出する趣旨概要は次のようになっている。

世界における電力需要は、人口が増大し各国が産業基盤を開発、拡大するにつれ、引き続き増大することが予測される。すべての発電手段は環境に何らかの影響を与える。国際的なビジネス界の代表として我々は、全市民の電力に対するニーズを満足させながら、この影響を最小のものとすることが、世界的な課題であると認識している。

原子力は、この課題を解決する上で重要な要素である。それは、原子力が多量に必要とされている電力を提供し、環境を保護し、持続可能な開発を支援するからである。影響を受けるすべての環境を保護するために必要とされる保全および管理技術は、原子力において現在使用されているか、使用可能となっている。また、原子力発電は、温室効果ガスの排出を回避する。したがって、原子力は、潜在的な気候変動を抑制するにあたり主要な役割を果たし、温室効果ガス排出削減が大幅に必要とされる先進諸国では特に重要である。

原子力発電による電力の継続した安全かつ効果的利用、先進的な発電炉技術の開発は地球温暖化に伴う危険に対処するために必要とされる国際的な努力である。我々は、温室効果ガス制限の計画に携わっているすべての国々に、原子力発電を含め、必要に応じてすべての技術にアクセスする権利を与える政策を支援されることを奨励する。

原子力は、地球温暖化問題に対し、必要かつ非常に有効な解決策の一部である。国連の気候変動枠組み条約加盟国は、原子力が温室効果ガスの排出を効果的に回避するうえで、容認できるエネルギーであり、環境のための資源であることを認めるべきである。結果的に、地球規模での温室効果ガス排出管理計画に柔軟性が与えられ、各国がエネルギーおよび開発において独自の選択を行う権利を確保できることとなる。


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