[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <1面>

[原子力安全委員会] 防災を総合的に検討

被ばく医療、分科会で審議

原子力安全委員会の原子力施設等防災専門部会の初会合が25日に開かれ、原子力安全委員会が11日にまとめた緊急医療を含めた原子力防災対策の指針の見直しを受けて具体的な検討を開始した。特に防災対応の強化として提言された緊急被ばく医療の実効性向上にむけた対応を専門的に検討する部会の設置も決められた。

原子力施設等防災専門部会は、原災法の制定や原子力防災指針の改訂されたことを踏まえ、原子力施設などでの災害対策を総合的に検討することをねらいとして、従来の原子力発電所等周辺防災対策専門部会を引き継いで発足したもの。 (1) 原子力発電災害発生時の緊急事態応急対策、原子力災害の予防対策および事後対策、原子力防災に関する専門的事項 (2) 被ばく医療に関連する技術的・専門的事項−を検討していく。

部会は当面、 (1) 原子力緊急事態の解除条件 (2) 原子力災害の事後対策 (3) 原子力災害発生時の被ばく医療対応 (スクリーニング、ヨウ素剤投与の条件整備、心のケア等) (4) 防災指針などに関する関係機関の対応のフォロー−を具体的に検討することにした。

また、こうした課題のうち、特に被ばく医療のあり方については技術的・専門的な立場から検討を深めるため、専門部会の下に被ばく医療分科会を設置することが了承された。放射性物質や放射線の異常な放出による周辺住民や従事者の被ばく時に、実効性ある被ばく医療と事後の医療措置を円滑に進めるための対策を集中的に調査審議する。


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