[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <3面>

[英BE社] 新規建設の「条件」提示

カナダでの事業展望で

ブリティッシュ・エナジー (BE) 社のR.ジェフリー次期会長は12日、カナダのトロントで開催された会合でカナダにおける同社の事業の進展状況を説明するとともに、カナダでの新規原子炉の建設に必要と考えられる4つの前提条件を提示した。

同氏によると、BE 社が子会社のブルース・パワー社を通じてオンタリオ・パワー・ジェネレーション社からブルースA、B両原子力発電所をリース運転する契約手続きは目標より3週間早く完了するとともに、B発電所 (各84万kW、CANDU 炉 4基) の平均設備利用率は100%に達するなど原子力発電所による発電計画も前倒しで進行中。同社が北米での事業展開のためにエクセロン社と共同出資しているアマージェン社はすでに米国で3つの原子力発電所の所有権を取得しており、ブルースB発電所の出力増強、A発電所の2基 (各90万4000kW、CANDU炉) の運転再開により同社のオンタリオ州での発電設備は今後2年間で200万kW、拡大することになる。

同氏はさらに、新規原子力発電所を建設する可能性にも言及しており、そのための具体的な前提条件として次の4点を指摘した。すなわち、(1) 信頼性の高い、商業的にも合理的な稼働を続けている既存発電所の価値を投資家達に実証する (2) 放射性廃棄物の永久処分場建設に係わる政治的な問題に取り組む (3) 地球温暖化や汚染に対処する上で原子力が果たす重要な役割を原子力産業界が一層強くアピールする (4) 新規の建設計画が正真正銘、確実な事業案件であることを実証する−など。


Copyright (C) 2001 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.