[原子力産業新聞] 2001年6月28日 第2093号 <4面>

[原研] 超臨界CO2でウラン回収

新リーチング法開発に成功

日本原子力研究所は14日、超臨界状態の二酸化炭素を媒体として利用し、ウラン酸化物を含む固体廃棄物からウランを効率よく除去・回収する方法を開発したと発表した。

この「超臨界二酸化炭素リーチング法」開発に成功したのは同研究所先端基礎研究センターの機能性場アクチノイド化学研究グループ。超臨界状態にある二酸化炭素中でウラン酸化物が硝酸-リン酸トリブチル錯体 (TBP) と高い効率で反応を示し、生じたウラン-TBP 錯体が同二酸化炭素中に溶け出すことを解明した。

この反応を応用してウランを含む固体廃棄物からウランを除去・回収する方法の開発を試みた結果、重量0.2〜0.4%のウラン酸化物を含む砂を模擬汚染資料として使い、40〜60度C、100〜200気圧の条件で反応させた場合、試料中のウランを100分の1から最大で1万分の1以下にまで除去できることが分かったという。

今回開発したリーチング法は (1) 処理工程で発生する2次廃棄物の発生量が大幅に減る (2) 大量の試料の処理に利用可能 (3) 除染処理後の固体が水分や溶媒などを含まない−などの利点がある。今後、ウラン廃棄物の除染法や汚染土壌の環境修復に実用化技術としての応用が期待されている。


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