[原子力産業新聞] 2001年7月5日 第2094号 <2面>

[COP再開会合] 気候変動に関する非公式閣僚会合

「建設的参加」申し合せ

気候変動に関する非公式閣僚会合が6月26日から28日まで、オランダ・ハーグ市内においてプロンク COP6 議長の主催で開催された。日本からは川口順子環境相、朝海外務省地球環境問題等担当大使らが出席した。今回は、7月の COP6 再開会合に向けてどのように準備を進めるかにつき、再開会合の進め方を含め、各国からアドバイスを求めること、各国が再開会合に向けて行う準備のために、実質的な交渉事項に関する意見交換を行うことを目的として開かれたもの。

実質的な交渉事項に関しての意見交換においては、議長統合テキスト (6月11日発表) を踏まえ、途上国支援関連事項、京都メカニズム、吸収源、遵守及び組織的事項について、各国が率直な意見交換を行った。また7月の COP6 再開会合について、7月19日午後に開会し同日夜から22日までハイレベルセグメント (閣僚級) 会合、23日から27日まで補助機関会合を含む事務レベル協議とする日程を決めた。またこれに先立ち16日から19日午前まで非公式会合が開催されることとなった。

今回の非公式会合では我が国から、2002年までの京都議定書の発効を目指して、京都議定書を関係国が締結することが可能となるよう、来月の COP6 再開会合の成功に向けて全力を尽くすことに変わりはないことを表明、またその際、米国に対し、京都議定書の発効に向けた交渉に建設的に参加するよう強く期待するとの発言を行った。

また、地球規模での温室効果ガス削減の実効性を確保するためには、全ての国が1つの枠組みの下で行動し、「共通だが差異のある責任」に基づき、まず先進国が削減努力を進めることが不可欠であることを強調し、COP6 再開会合に向けて、全ての国が柔軟かつ創造的になることが必要であるとした。同時に各国が国内対策を実施することが重要であり、日本も京都議定書の目標を達成するための国内制度に総力で取り組んでいる状況を説明した。さらに、温暖化対策は、先進国が率先して取り組むとともに、途上国においてもそれぞれの能力に応じて取り組むことが重要であることを主張し、日本としても人材育成、技術移転、資金協力等を引き続き実施していることを強調した。そのうえで、途上国が既に実施している温暖化対策を高く評価し、途上国が自発的な自国の温暖化対策をアピールすることを奨励するとともに、日本として途上国に対する協力を今後とも積極的に継続する姿勢を示した。

会合では、COP6 再開会合に、米国も含め全ての国が建設的に参加していく意思が表明された。一方、COP6 再開会合での交渉に向け、実質的な交渉事項について、率直な意見交換を通じ、多くの論点が出された。合意の成立までには、途上国に関する課題も含めなお多くの課題が残されていることも改めて明らかになったという。とりわけ、米国の動向に加え、途上国と先進国の間の意見の相違が表面化しており、昨年11月のハーグ会合の時点に比べ、交渉を巡る情勢がより困難になってきていることは事実。こうした状況から、途上国も含めいくつかの国から、ボン会合での全面合意が困難であり、COP6 再開会合では部分合意を目指し、残された事項は COP7 ないしはそれ以降において合意を図ることとしてはどうかとの発言もみられるようになっているという。


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