[原子力産業新聞] 2001年7月5日 第2094号 <3面>

[ロシア] ムルマンスクで液体廃棄物処理施設を拡張

セメント固化が可能に

フィンランドとの国境に近いロシア北西部のムルマンスクで進められていたロシアの液体低レベル放射性廃棄物処理施設の容量拡張・改造工事がほぼ完了したことがこのほど明らかになった。

94年に開始されたこの国際協力プロジェクトにより、同施設の処理能力は1200立方メートル/年から5000立方メートル/年に拡大。原子力船の運航や原子力潜水艦の解体から出る廃棄物の処理で一層重要な役割を担うことになった。

実質的には建屋全体の建て替えが必要だったものの、当初は内部に新しい機器を設置することで既存建屋の改造を計画。最終的にはすべての必要な改良項目を盛り込むために既存建屋を大幅に作り変える結果になった。同施設ではまた、セメント固化ユニットが新たに備えつけられており、液体廃棄物の処理工程で排出される二次廃棄物を処理するとともに、セメント固化が可能になった。さらに、これに加えてセメント固化体を含むあらゆる固体廃棄物を取り扱えるコンクリート製コンテナーも開発されている。

ロシアにはこのほか、極東のウラジオストックにも同様の処理施設があることから、ムルマンスクの施設と合わせてようやく、放射性廃棄物の海洋投棄を禁じたロンドン条約の遵守に十分な処理能力が配備できたとしている。


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