[原子力産業新聞] 2001年7月26日 第2097号 <3面> |
[英国] 燃料棒落下事象で終息宣言英原子燃料会社 (BNFL) は18日、スコットランドにあるチャペルクロス原子力発電所3号機 (6万kW、マグノックス炉) で5日に発生した燃料棒落下事象は17日までに概ね終息したと正式に発表した。 この事象は5日の未明、同炉で通常の燃料交換作業を実施していた際、取り外した使用済み燃料棒のうち24本がバスケットから燃料交換機の内部に落下したというもの。BNFL は15日に出した声明で「当該区域内で放射線の増加は全くなく、運転員の被害や燃料が損傷した形跡もなかった」としており、この事は英国の規制当局である原子力施設検査局 (NII) にも報告された。同事象は国際原子力事象評価尺度 (INES) でレベル1の評定を受けている。 遠隔テレビ・カメラによるその後の調べでは、落ちた燃料棒のうち12本は排出シャフトの底に位置する水を満たした運搬用容器内にあるのが確認されたほか、残りの12本もシャフト頂部の燃料棒取り出し機に残っていたことが判明。この時点で NII は同発電所1、4号機の運転継続に同意している。 17日の午後には同発電所スタッフが排出シャフトの基盤周辺を検査。夕方までに燃料棒回収のため運搬容器を安全に密封するとともに燃料貯蔵冷却槽まで移動させた。この作業の完了は NII にも直ちに報告されている。また、排出シャフト頂部にある燃料棒については専門エンジニアによるチームを組んで、今後回収にあたる計画だ。 事象発生後 BNFL は、同機種の燃料交換機を利用しているコールダーホール原子力発電所 (各6万kW、マグノックス炉4基) での作業を一時中断させている。 |