[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <1面>

[文科省・経済省] 来年度予算概算要求で基本的考え示す

文部科学省と経済産業省は7月27日に開かれた原子力委員会で、2002年度の原子力関係予算概算要求に対する両省の基本的考え方を報告した。

文部科学省は、現在原子力安全・保安院で審査中の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい対策等に係る改造工事を行うための予算を確保したいとしたほか、核融合研究開発では、国際熱核融合実験炉 (ITER) 共同実施の準備に向け、2002年末までに成果を取りまとめる予定で実施される調整技術活動に参加し、サイト依存設計等を行う考えを示した。

また、新原子力長計や科学技術基本計画で、高い安全性、経済性等を有する革新的原子炉等の技術が期待されていることなどを視野に入れた革新的原子力技術開発を検討したいとした。

原子力安全・防災対策関連では、3次被ばく医療機関の拡充を図るとともに、人材の育成、関連データベースの作成等、3次被ばく医療機関の体制の整備などを図りたいとの考えを伝えた。

一方、経済産業省も基本方針を説明。刈羽村でのプルサーマル住民投票結果も踏まえ、国民理解の促進方策の大幅な見直しを図りたいとしたほか、原子炉関係については、民間中心に行うべき部門を整理するとともに革新炉への取組強化を伝えた。

高レベル廃棄物に関しては昨年策定の基本方針を踏まえて重点化を図るほか、核燃料サイクル関係に関しては、六ヶ所核燃料サイクル事業への技術移転への重点化を軸にすえるほか、ウラン濃縮はレーザー濃縮技術開発について見直し、遠心分離機の開発支援を検討するとの考えを示した。


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