[原子力産業新聞] 2001年8月2日 第2098号 <3面>

[スウェーデン・フィンランド] 使用済み燃料処分で研究協力

スウェーデン核燃料廃棄物管理会社 (SKB) とフィンランドで放射性廃棄物処分場の建設を担当する公益企業である POSIVA は7月10日、使用済み燃料の研究と技術に関する情報交換などの協力協定を締結した。

有効期間5年のこの協定は、80年代から始まっていた両者の協力範囲を共同研究開発活動まで拡大することを保証しており、放射性廃棄物の深地層処分と封じ込め技術にポイントが置かれている。

両社の共同声明によると、双方ともに使用済み燃料は深地層にある固い結晶質の岩盤に最終処分するという同様の方針を選択しているため、情報交換や共同活動を通じて二重作業の手間を省き、一層効率的にお互いの能力を高めることが可能になる。サイトの特性調査に関しては POSIVA が SKB より先んじている一方、使用済み燃料処分キャニスターの計画や処分技術の試験などについては SKB が先駆者。近年では POSIVA がスウェーデンの硬岩地下研究所で行われている試験活動に参加している。また、深地層の試掘孔を通じて解明される岩盤の特性や地下水の状態などについては、流量計測やサンプリング用先進機器の開発など POSIVA が積み重ねてきた経験を SKB が活用できるようになる。

今後の共同プロジェクトの焦点は銅製キャニスターの製造および密封方法の開発に絞られるが、両社とも鋳鉄製の内部容器を厚さ5センチメートルの銅製カバーで覆った二重構造のキャニスター製造に取り組んだ経験がある。今回の協定により、POSIVA は SKB がオスカーシャムの封じ込めに関する研究所で行っている最終処分用キャニスターの取扱い試験や電子ビームによる銅製上蓋の溶接法開発に参加する計画だ。


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